「貴(むち)」を捧げられた三柱の高貴な神々

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今まさに、自然や禁忌が失われてゆき周辺諸国の脅威を感じる時代になっています。

「沖ノ島―神宿る海の正倉院」写真展でのビデオで
はからずも、写真家の藤原新也氏も語っていました。

参考記事:

このような時代になることを予見していたわけでなくても、
あたかも予見していたかのように、大和朝廷の先祖は、
沖ノ島を祭ることを初めて、そして祭祀は延々とつづけられてきたのです。

先見の明のある先祖を、誇らしく有難く思うばかりです。

私たちの国は、先祖代々、島々を大切に祭ってきました、と世界に誇れるのですから。

三柱に限られる最高に高貴な「貴(むち)」

玄界灘で漁をして、航海する海人(あま)たちが、
その荒海での拠り所として信仰してきた島を、国家をあげてお祭りする……

汝三神(いましみはしらのかみ)、道中(みちなか)に降り居て、
天孫(あめみま)を助け奉り、天孫に祭(いつ)かれよ

(あなた方、三女神は、朝鮮半島への大切な道筋に降って、
私の子孫たちをお助けして、そうして子孫たちからも、お祭りされるように)

『日本書紀』の神代には、天照大神さまのお言葉が記されています。

よほど大切な有難いお言葉であったので、伝え記したのではないでしょうか。

天照大神さまの、神々をお祭りするようにとのお言葉があるのは、
この宗像大社の三女神だけです。

 

また『日本書紀』には、三女神を

海の北の道中(みちなか)におられて、名づけて道主貴(みちぬしのむち)と申し上げます

ともあります。

貴(むち)」という尊称は、神々の中でも「最高に高貴な神」の意味で、

伊勢神宮に祭られている大日靈貴神(おおひるめむちのかみ=天照大神)
出雲大社の大己貴神(おおなむちのかみ=大国主命)
そして道主貴(みちぬしのむち=宗像三女神)に限られます。

いかに篤い信仰が捧げられたか、わかります。

列島の要所の島や岬を祭った大和朝廷

先に記しましたように、大和朝廷は、
日本列島の要衝の島や岬に神社を築き、篤くお祭りしてきました。

それは「神郡(かみごおり、しんぐん)」という、
律令制下に定められた、神社の所領・神域からも知ることができます。

数ある神社の中でも、特に大切な神社をお祭りする地域です。

奈良時代に8つの神郡が知られています。

伊勢国 度会郡・多気郡 伊勢神宮 三重県伊勢市
 
安房国 安房郡 安房神社 千葉県館山市
 
下総国 香取郡 香取神宮 千葉県香取市
 
常陸国 鹿島郡 鹿島神宮 茨城県鹿嶋市
 
出雲国 意宇郡 熊野大社・出雲大社 島根県松江市・出雲市
 
紀伊国 名草郡 日前神社・国懸神社 和歌山県和歌山市
 
筑前国 宗像郡 宗像大社 福岡県宗像市

 

畿内大和への入り口にあたる、紀伊半島の東西の要地、和歌山と伊勢。

本州東端の房総半島の、安房や、犬吠埼に注ぐ利根川の両サイドあたる香取と鹿島。

そして日本海側の出雲の2社と、朝鮮半島への道筋にあたる宗像大社。

 

日本列島の地形や自然に合わせて、大和朝廷が、
守護神としての神々を大切にお祭りしてきたのが、わかります。

 

そのもっともな象徴として、今回の宗像・沖ノ島が世界遺産登録となり、
世界に認められたことを、再度、感謝したいと思います。

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