絶海の孤島「沖ノ島」を体感

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こんにちは、yurinです。

先日、日本橋高島屋で開催されていた、藤原新也氏の写真展、
「沖ノ島―神宿る海の正倉院」に行ってきました!

 

沖ノ島を知りたい、せめてこの大都会の東京でも、沖ノ島を体感したい
という老若男女が、土曜日の夜、デパートの閉館間際まで、賑っていました。

この写真展にすでに訪れたという、古代史Cafe会のメンバーの話しでは、
大変な人ごみで、「高島屋のカードは持っていらっしゃいますか」などの
声ばかり聞こえていた、とのこと(苦笑)

 

果たして雑踏にまみれた大都会で、絶海の孤島「沖ノ島」を、
体感できるのだろうか、と不安に思いつつ、
それでも足を運んで確かめたい、という期待感いっぱいでした。

やはり、来て良かった!

東京は有難いところ、と改めて思います。

 

秀麗な沖ノ島の山容が、玄海灘の浪間の向こうに、神秘的な姿を現したフォトに始まり、

太古のありのままの自然を残す、樹木や草木……

素っ裸になり、禊(みそぎ)をして上陸する藤原新也氏。

結界を意味するしめ縄を張り巡らした杉の大木、
第三の鳥居をくぐると、そこからが、真の神々の世界という……

 

後の時代に、巨岩のすきまに建てられた、おしつぶされそうな社殿

 

感銘したのは、来ている人々が、若い人も年老いた人も、
原始自然信仰の痕跡のフォトと、その説明書きに食い入るように、
真剣に見入っていたことです。

 

ご神体の「ヒスイの玉」と原始自然信仰の余韻に浸る

島々に捧げられた金の指輪や、はるばるシルクロードを伝わって来たという、
ペルシャのガラス製品などの、数々の至宝以上に、
太古の自然信仰の大きさがアピールされて、大きな共感を誘っているのが感じられました。

 

捧げられた宝物の中でも、大きな「ヒスイの勾玉」のフォトは、インパクトありました!

 

全体的に深いグリーンで統一された作品がおりなす、神秘的な空間に、ピタリとはまっています。

 

『西海道風土記』によれば、宗像三女神さまのご神体は、

奥津宮(沖ノ島)は、青蕤(あおに)の玉
中津宮(大島)は、八坂蕤(やさかに)の紫玉
辺津宮(本土)は、八咫(やた)の鏡

とあります。

御神体の二つが「玉」です。

「あおに」「やさかに」の「に」はヒスイのことで、
それぞれ緑のヒスイと、紫のラベンダーヒスイとされています。

3つの宮それぞれにお納めになったそうです。

 

沖ノ島のただ一人の女神として、島を守る田心姫さまのイメージを
夕陽の海岸に描き出したお姿も、忘れ難いです。

藤原新也氏が、沖ノ島の映像とともに語る25分のビデオも、
次々と真剣に見入る人々でいっぱいでした。

 

大都会の新宿の雑踏が、沖ノ島の対極として映し出され、
禁忌(慣習や習俗上、してはならないこととしていみきらうこと)を
失っていく現代社会に、沖ノ島が投げかけるものを問いかけていました。

 

太古のままの自然の中で、宗像大社の神職によって、
朗々と捧げられる祝詞のおごそかさ……

夜の大都会の喧騒をはるかに超越する
沖ノ島の原始自然信仰の余韻が、ずっと残っています。

 

※画像は全て、写真展で撮影したものです

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