筑後の歴史の奥深さにふれる旅【3】〜仏教伝来とものづくりの心〜

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筑後の歴史の奥深さにふれる旅【2】のつづきです。

まだの方はこちらから

8.奈良・京都の寺院よりひと足早く開化

この地を離れると、ツアーの展開は古代史から一転して、
中古・中世以後の筑後の国の歴史の奥深さにふれるものとなりました。

福岡県みやま市瀬高町の清水寺。

京都東山の清水寺と同じ名称です。

半年ほど前に、太宰府市の観世音寺(かんぜおんじ)で、
鑑真(がんじん)和尚ゆかりの、戒壇院を見た時と同じ衝撃が走りました!

奈良東大寺の戒壇院に先んじる寺院が……

奈良や京都の仏教文化は、まずは北部九州の地で受容され、
ひと足早く開化していることに気づかされたのです。

教典のない神道では、魂の救済に限りがあると、
新たな宗教を希求した人々の気持ちもまた、共感できます。

古墳の敗者への追憶から一転、新たな仏教文化にふれて、
ホッと安堵する気持ちになりました。

このあたりのツアーの展開に、
河村先生の歴史への造詣の深さを感じさせます。

9.寺院の庭園の静謐(せいひつ)

清水寺は、唐から帰国した最澄が、当山の合歓(ねむ)の霊木で作った、
二体の千手観音の木像を本尊とする、天台宗の寺院です。

木像のもう一体は京都の清水寺に安置されました。

三重塔・山門などは、後の柳川藩によって建立され整備されたもので、
藩士たち京都への憧れを、再現したようです。

愛宕山を借景とする庭園は、室町時代の雪舟作とされ、
国の名勝に措定されています。

紅葉の名所です。

京都巡りから、こちらのツアーにも参加されたご夫婦は、
天候不順の京都の紅葉が、思いのほか恵まれなかったので、
しっとりとした清水寺の緑の苔に映える紅葉の庭園に、満足しておられるご様子でした。

しばし正座して鑑賞する、静謐なひとときが流れて……

寺院の庭園は、確かに魂を浄化してくれる作用があるようです。

ここもまた京都東山の東福寺芬陀院、通称雪舟寺と重なります。

10.山里のランチで談笑

清水寺公園内での茶店で、山里の趣向をこらした昼食をいただきました。

竹製の器や湯呑み、可愛いらしいお団子、ところてん、おしるこ……
心配りが女性の参加者を引き付けます!

その後、清水寺を三々五々散策しながら下っていくうちに、
参加者同士で自然に打ち解けて話す機会も多くなってきました。

坂道を下っていく私たちが、道に迷わないようにと、
煙草をくゆらしながら見守る河村先生の姿が、
ずっと昔の、小学校の遠足での先生の姿に重なります(微笑)

遠足の楽しさが、蘇ってくるような時間でした……

11.落ち着いてものづくりに向き合える地

八女といえば、お茶や灯籠(とうろう)は有名ですね。

八女伝統工芸館では、福岡県南部の八女地方に伝わる、
国指定伝統的工芸品の仏像・提灯(ちょうちん)・久留米絣(かすり)、
県指定特産民工芸品の石灯籠(いしどうろう)・手すき和紙・弓矢・竹細工・和こま、
その他の焼き物、木工品などを集めて展示紹介しています。

どの工芸品も精巧でレベルの高さを感じさせます。

「どうして一か所で、こんなにもいろいろなものが生み出されたのかしら?」と、
不思議に思って、思わず次第に打ち解けた周囲の方に問いかけてみると、

「それぞれのルーツは一緒なんですよ。
この大きな甕は古いものだけど、この甕の中で繊維を染めたりします」
と、

地元久留米で染物屋を営んでいるという方が、穏やかに語ってくれたのです。

「八女地方は、中心地域から外れている分だけ、
物づくりにじっくり打ち込める土地柄だったんです」と。

……なるほど。

一見別々に見える特産品も、物づくりに打ち込む人たちが、
長い年月をかけて伝承しながら、少しずつ熟練して進化を重ねて、
バリエーションを広げたのもの、と納得できたのです。

そして岩戸山古墳の石人・石馬から、現在の石灯籠まで、
一本の糸がつながってきて、しみじみとした感動が広がりました……

12.邪馬台国卒業旅行!?

もうすぐ久留米駅というバス車中では、

「もう今回で、邪馬台国は十分にわかったから、別のことをしようと思う!」と、
宣言?する男性が現れると、すぐ横の女性も「私も邪馬台国は、卒業でいいかな(笑)」

「わかった!この旅行は邪馬台国の卒業旅行だったのね!」と、皆で笑ってしまいました。

……ですが、おそらくまた戻ってきますね、きっと。

邪馬台国は、歴史への扉を開いてくれましたが、
永遠のゴールでもあるのですから(微笑)

そのような会話も交わされるほどの、
前日の「邪馬台国全国大会in福岡」で講演された先生方
(安本美典氏、関川尚功氏、高島忠平氏、白木守氏)の充実の講演内容と、

さらに翌日の河村哲夫先生引率の筑後の国の奥深さを堪能するツアーから、
「歴史というもののトータルな面白さ」を実感し、忘れ難い2日間となったのでした。

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