茶道の心は三種の神器の神話時代から

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こんにちは、yurinです。

今回は、茶道の心に通じる三種の神器のお話です。

キーワードは「連綿性」。

日本の歴史が長く続いていることを改めて感じていただけると思います。

1.みちのくの弥生内行花文鏡から神話の世界へ

「きっと先祖からいただいた、家宝の鏡を大切に大切に、しまっておいたんでしょうね……」

江戸東京博物館で、宮城県栗原市の入の沢遺跡出土の、内行花文鏡を前にして、
学芸員の方の言葉が、深く心に刻まれました。

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内行花文鏡は、もともと中国の後漢(AD25~220)の鏡です。

それを模倣した鏡も作られて、弥生の『魏志倭人伝』の時代の北部九州や、
古墳時代はじめの大和の、権力者たちに愛好されました。

その鏡が、はるばるみちのく古墳から出土したのです。

内行花文鏡は、三角縁神獣鏡より古い時代の鏡です。

すでに540面!も出土している大量生産の三角縁神獣鏡より、
見た目も精巧で小ぶりの希少品です。

 

福岡県糸島市の平原古墳出土の大型の鏡は、
後漢の内行文鏡を模倣して製作したとされる特大サイズの鏡です。

 

三種の神器の一つの「八咫(やた)の鏡」
「八頭花崎八葉形(やたはなさきやはのかたち)」の図柄と伝えられます(『御鎮座伝記』)。

つまり、花びらの先が八つに開いた葉の形の模様の鏡のようです。

まさに内行花文鏡の図柄なのです。

 

神話の天照大神が天の岩戸にお隠れになった時に、
石凝姥命(いしこりどめのみこと)が、渾身(こんしん)の思いで
製作したという鏡のイメージにピッタリです!

 

原田大六氏や安本先生がおっしゃる、「平原古墳出土の大きな鏡」は、
天照大神(あまてらすおおみかみ)ゆかりの鏡のイメージです。

 

その神話ゆかりの内行花文鏡が、みちのく(陸奥)の
4世紀末の住居遺跡から出土しました。

そういえばこのタイプの鏡は、長野市立博物館に展示されている、
川柳将軍塚古墳
からも出土していました。

大彦命の墓と伝承される古墳です。

大和からはるばる遠征におもむいた皇族が、
大和を旅立つときに授けられたとみられる宝物の内行花文鏡です。

日本武尊が「船にかかげた大鏡」も、内行花文鏡だったのでしょうか。

 

2.先祖の心をモノにこめて大切に

歴史学者の坂本太郎氏は、日本の歴史の特性の一つとして「連綿性」をあげています。

海外から崇敬される日本文化はいくつもありますが、
中でも「茶道の心」は、その「連綿性」を感じさせる、代表的な日本文化です。

茶道では、先人からのお茶道具を大切に継承します。


大徳寺高桐院

見た目はぶかっこうなお茶碗、ただの竹で作った茶杓(ちゃしゃく=お茶をもるさじ)、
花入れの四季おりおりの花、先人の気持ちを込めて床の間に飾られた掛け軸………


東福寺芬陀院(雪舟寺)

もし「こころ」で補うことがなかったら、ただの山野草や紙きれやお茶碗です。

ですが「先人が大切にした」「古いもの」だからということで、
有難く大切な気持ちがして、拝見し手にします。


等持院

おそらくは入の沢遺跡の鏡も、皇族が遠征に際して授かり、
その後、統治開拓を任された重臣が、大和を偲ぶ形見の家宝として大切に納め、
守護神ともして、崇めたのではないでしょうか。


東福寺芬陀院

 

3.神話の三種の神器の精神に通じる

古いもの、先祖が大切にしたものだから、大切に子孫に伝える、という心は、
早くも神話の中の、三種の神器に通じて、表れているように思われます。

 

天皇が天皇である証しとして先祖代々継承した三種の神器は、
「八咫(やた)の鏡」「八尺瓊(やさかに)の勾玉」
「天叢雲(あまのむらくも)の剣(草薙くさなぎの剣とも)」
です。

当時の最高レベルの鏡・玉・剣です。

……どう考えてもの、これらは弥生時代から古墳時代の日本の最高の宝物なのです。

 

その後、金・銀・ダイヤモンド、鉄砲など、客観的価値では、
それ以上の宝物が流入しています。

それに鏡や剣は、作り直さないと錆びてしまうだけですし、
昔の刀よりも形も良く、切れ味の鋭い刀が生み出されています。

豪華なティアラや数々の珠玉を連ねたネックレスもあります。

 

……ですが、

「こっちの方が、世界的にも価値のある品物だから、
新たな時代に合わせて三種の神器も交換しよう!」

などということは、決してなさらないのです。

すばらしく、崇高な精神を実践されてきた皇室の先祖の方々に、敬意を表します。

 

その精神は、皇族に受け継がれ、さらに時代を越えて茶道の精神に受け継がれ
一方、庶民は庶民で、おのずとそのような心を受け継いでいるのです。

先祖が大切にしたものだから、古いものだから大切にする、
それはモノに対してだけでなく、自然というものを大切にしてきた
日本人だからこその心ばえだと思います。

 

三種の神器の八尺瓊(やさかに)の勾玉は、大きなヒスイの勾玉とされます。

日本では、新潟県の糸魚川市の姫川流域で産出されたヒスイのみが、
古代に利用されて全国へ広がりました。

古墳時代以後、地元ではむしろ忘れ去られてしまっていたほどです。

 

昭和時代に再び伝承は見直されて、2016年、
日本鉱物科学会でヒスイは「国石」に指定されたました!

日本が誇る最高のパワーストーンです。

 

天皇家のご先祖が選んだ三種の神器には、それぞれの歴史や思いがこめられています。

そういう日本人の心のエッセンスが散りばめられたのが、まさに日本神話です。

スバラシイ神話をもって、誇らしく思いませんか。

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