yurinです。
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天の岩戸前での渾身の舞と一瞬のチャンス
そしていよいよ戸隠神社にお祭りされる天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)と天鈿女命(あめのうずめのみこと)の登場です!
天鈿女命は天の岩戸の前で渾身の舞を神々に捧げます。
「神楽」の原形になったとされる舞です。
あまりに一生懸命であったために、衣装の紐が一部ほどけてしまったのでしょうか?ウズメノミコトの肌が露わになって乳房が見えてしましました(大汗)
その時に居合わせた高天の原の神々がどっと笑い出したので^^
その笑い声を聞いて岩戸の奥の天照大神が「どうして私がいないのに、皆は笑っているのかしら」と不思議に思って岩戸を少し開いて外の様子を伺ったのでした。
天手力雄命は、その一瞬の機会を逃しませんでした!
少し開いた岩戸のすきまから手を入れて、力のかぎり開き、大岩を投げ飛ばしたのです。
「二度と岩戸にお隠れになりませんように」と。
神楽の動画も合わせてご覧ください。※音が出ます
高千穂神楽のクライマックスです。
初めの「手力雄」に出てくるタヂカラオは、岩戸の前であれこれ思案するので、「白い」お面ですが、力いっぱい岩戸を投げる「戸取」の舞では、赤いお面であることが多いです。
高千穂神社で今も続く神楽
宮崎県臼杵郡の高千穂地方では、1年の農作業が終わる時期に集落ごとに神楽が奉納されてきました。
冬至を乗り越え、春の陽ざしの復活再生を祈ったとされます。
神社で神職が神々に奉納される神楽に、農民たちも参加するようになった「里神楽」です。
毎年、11月~2月の農閑期には集落ごとに夜を徹して神楽が奉納されます。
その中心に、高千穂八十八社の総社の高千穂神社があり、冬の時期以外にも毎晩、観光客のために神楽の一部を奉納しています。
地区ごとに交代で担当しているそうです。
題目は33番の中から「手力雄(たじからお)の舞」「鈿女(うずめ)の舞」「戸取(ととり)の舞」「御神体の舞」の4番です。
天の岩戸が開かれ、一般民衆が平和な暮らしを取り戻すという題目が人々に喜ばれています。
単調な節の繰り返しの中に、それぞれの踊り手の個性がでて、何度見ても面白く、いつしか自分も踊りたくなってしまうから不思議です^^
天手力雄命は「信濃の戸隠山へ!!」と叫んで、岩戸を投げ飛ばす集落の神楽もあります。
戸隠山の山容は天の岩戸にたとえられ、そのような伝説も生み出すほどでした。
高千穂から遠く離れた戸隠神社では、その天岩戸にたとえられる戸隠山の懐(ふところ)にそれぞれの社に天八意思兼命・天手力雄命・天鈿女命がお祭りされています。
おそらく朝廷の先祖は、太古からの神域あった戸隠山の大自然とともに、皇室ゆかりの神々をお祭りしたのでしょう。
戸隠神社で古代史フォーラム
お祭りされた時期については、いろいろの考察がありますが『先代旧事本紀』には、そのヒントが記されています。
これについて昨年11月の「戸隠神社主催令和元年特別記念古代史フォーラム『先代旧事本紀』があかす戸隠神社の神々」で、古代史学者の安本美典先生、日本画家の川崎日香浬先生とともにお話しさせていただきました。
水野宮司さまほか神職の方を交えてのフォーラムです。
この日のために制作完成された、川崎日香浬先生の「昇龍 令和の祈り」の屏風絵は、この日の「華」でした!!
このようなすばらしい金屏風の前で、安本先生、日香浬先生とともに、戸隠の神々についてお話しできてことはこの上なく有難いばかりでした(大涙)
その考察については、この先の皆さまとの意見交換でさらに深まっていくものと思われます。
楽しみですね!
長く戸隠山の神さまにご奉仕していると、だんだんに神々に近づくのでしょうか。
水野宮司さまは、どこかしら思兼神さまを彷彿とさせてくださいます^^
令和2年の新春を寿ぎ、「岩戸開き」の神々に因む戸隠神社、高千穂神社についてご報告申し上げご挨拶とさせていただきます。
今年もますますみなさまにとって古代史や古典が楽しく、心豊かにするものでありますように。
明るく健やかな1年になりますようにお祈り申し上げます。