こんにちは、yurinです。
昨晩、ノーベル文学賞の祝砲が耳に入ってきました!
受賞したのは、長崎出身の英国人、カズオ・イシグロ氏です。
以前に『私を離さないで』を、題名だけで手にしたものの、私が描いた内容と違うシリアスさに驚いて!お蔵入りになっていた本でした(汗)
シリアスで繊細な主人公の、深淵な心の闇に共感して、次々に読破していくような若々しい感受性を、すでに私は失っていたようです。
さっそく読み返してみなくちゃ……(大汗)
テレビでインタビューに答えるイシグロ氏は、知的で温かくステキな男性です~♡♡
ブリティッシュ・イングリッシュを流れるように話す、優秀な日本人の雰囲気です。
両親とともに5才で長崎から英国へ居住
5才まで長崎に住んでいたこと、その後、両親とともにイギリスへ渡り、そのまま英国に居住するようになったことを、今回の受賞で初めて知りました。
カズオ・イシグロ氏とご両親の人生に思いを馳せてしまいます。
作品は日本でも舞台やテレビ化されて、平成24年に50年ぶりに来日。
「今振り返ると、小説を書くことは、私の中の日本を保存することだった。世界、空気のすべてを」
(産経新聞より引用)
と、語ったそうです。
そして、イシグロ氏が幼少時に通っていた長崎市の幼稚園の担任の先生は、何十年も前の教え子を、心にかけてきたようです。
「夢みたい。私が生きているうちに(ノーベル文学賞)受賞が決まるとは思わなかった」と感嘆の声を上げた。
(同引用)
教え子のイギリスでの活躍を、ずっと期待して見守っていたのですね。
まさしく三つ子の魂百まで、という言葉を思い出します。
敗戦後の日本から離れて祖国を見つめる心
イシグロ氏は作家になってからも、川端康成や小津安二郎の映画の「東京物語」に親しんでイメージを育んできたそうです。
「改めて思ったのは私の書く物語が日本的感性に裏打ちされていること。
『命のはかなさ』や『もののあはれ』といった言葉はいつも私の頭にあるのです」
(同引用)
新聞記事のイシグロ氏の言葉に「もののあはれ」や「川端康成」まで出てきて、思わず目頭が熱くなってしまうのでした(涙)
敗戦後の日本の混迷の中で翻弄する人々が、川端康成氏によるノーベル賞記念講演の『美しい日本の私』や、本居宣長の「もののあはれ」を忘れて、あるいは知らないまま過ごしてゆくにもかかわらず、
むしろ日本からはるかに遠く離れたイギリスで、このような思いを大切に心に秘めているお方がいることに、感動します!
原爆投下された長崎に居住したご両親、その10年後に出生したイシグロ氏。
ご両親から戦争の話も聞いていたそうです。
戦勝国イギリスでの生活で、卑屈になることもなく、カズオ・イシグロ氏を育てたご両親の姿勢が、伝わってくようにも感じられます(涙)
日本人て何かしら?そんなことも考えてしまいます。
日本と同じく王室の伝統があり、日英同盟も結ばれた国。
そのイギリスに住んで、敗戦後の日本の混迷から離れたポジションで、日本を思い、数々の作品を書いたカズオ・イシグロ氏の、ノーベル文学賞の受賞を心から祝福いたします(拍手)