宗像・沖ノ島世界遺産で今知っておきたいこと【2】海や島の要衝地での自然信仰

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「宗像・沖ノ島」世界遺産登録で今知っておきたいこと【1】のつづきです。

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4.ご神体の島々

瀬戸内海の広島県の厳島(いつくしま)神社は有名ですね。

安芸(あき)の宮島として知られて、三女神さまが祭られています。

ここでは、厳島(いつくしま)=齋(いつ)くしま=市杵島(いちきしま)と、
三女神の市杵島姫さまへの信仰が、特に深かったようです。

このように島をご神体としてお祭りするのは、
日本人が農耕民族としてよりも古い、海洋民族としての伝統があったからとみられます。

瀬戸内海の要衝にある、愛媛県今治市大三島の大山祇(おおやまつみ)神社は、
「日本総鎮守」として、朝廷からも武将からも厚く崇拝されてきました。

奉納された国宝も保存されています。

淡路島や対馬などには、皇室の大切な先祖をお祭りしています。

島ばかりでなく半島の先端にも、紀伊半島の熊野三山、
かつては伊豆半島の先端にあったとされる三島大社、
房総半島の安房神社などをお祭りしてきました。

房総半島の安房神社

すでに安芸の宮島、熊野三山は世界遺産に登録されています。

日本海に目をうつすと、出雲の日御碕(ひのみさき)神社、
敦賀の気比神宮、能登半島の羽咋(はくい)の気多(けた)大社、
新潟県弥彦村の彌彦(やひこ)神社……などが航路の要地の守護神となっています。

出雲の日御碕(ひのみさき)神社

敦賀の気比神宮

能登半島の先端の輪島市には、沖合いの50キロのところに舳倉島(へくらじま)があり、
沖ノ島祭祀のように、太古からの三女神信仰があるようです。

5.女人禁制の島の女神

玄海灘の沖ノ島は、宗像大社の神主が交代で常駐するのみの無人島です。

女神さまをお祭りするのですが、女人禁制です。

田心姫さまは、島の唯一の女性として、他の女性を寄せ付けず、
君臨しているかのようです。

一木一草、持ち出してはならず、島でのことは話してはならない、とされてきました。

年に一度の祭祀の時だけ、抽選で200名が上陸できます。
(これは、世界遺産登録をもって以後は中止になりました。)

寄港した漁船の乗員と同じように、上陸する時は、必ず裸になって、禊(みそぎ)をするそうです。

この沖ノ島の祭事を体験した会社の男性の先輩がいて、心から羨ましく、敬意を表しました!

私が連載している古代史の季刊誌で『季刊邪馬台国』(梓書院)という雑誌があるのですが、
その『季刊邪馬台国』132号では「宗像と古代日本」が特集されていて、
梓書院の田村社長の「沖ノ島体験記」(神々の許しを得て)が載っています。

有難く、読み入ってしまいました(拝)!

6.越前三国の雄島で神の息吹

そういうわけで、沖ノ島へ行くことも、体験することもできないのですが、
私たちの先祖は、日本列島のいたるところで、島々をお祭りしているのを実感するものです。

そうした中で、福井市の越前加賀海岸にあり、三国湊(みくにみなと)を臨む、
雄島(おじま)での、自然信仰の痕跡をお伝えします。

坂井市の三国町は、九頭竜川河口にある、継体天皇のゆかりの地です。

大湊(おおみなと)とも呼ばれたようです。

その港を臨む、周囲2キロの島が雄島です。

地元の人は神の島と崇めてきました。

大湊の町と雄島を結ぶ、「天の浮橋」のような朱色の橋がかけられています。

全長224mの橋

雄島へ

雄島からの本土

雄島の山上には、式内社の大湊神社が祭られて、島全体が神域です。

大湊神社

時おりすれ違う、カップルや夫婦連れの参拝が目につきました。

こんな陸地に近い島でも、ひとたび足を踏み入れると、
クスノキ科のヤブニッケイからなるという樹木群は、
あの高宮斎場の神籬(ひもろぎ)を想起させるのです。

絶え間ない波音とともに、鬱蒼と茂る樹木の奥から、
たしかにおごそかな神々の息吹が感じられたのです……

日本民族の海洋信仰を象徴する、玄界灘の孤島、沖ノ島のことが脳裏を離れませんでした。

大湊神社から三国港を臨む

宗像・沖ノ島世界遺産で今知っておきたいこと【3】につづく

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