こんにちは!yurinです。
ここのところ、諏訪湖の「御神渡り(おみわたり)」のニュースが聞こえていましたが、ついに5日「拝観式」が施行されました。
諏訪大社上社摂社の八剣(やつるぎ)神社の神事です。
八剣神社「御神渡(おみわた)り」神事
諏訪大社には、上社前宮・上社本宮・下社春宮・下社秋宮の4社の総称として知られますが、他にも摂社末社があり、分社は2万5千社あります。
中でも八剣神社は「御神渡(おみわた)り神事」で有名です。
八剣神社は八千矛命(やちほこのみこと、大国主命)・日本武尊(やまとたけるのみこと)・誉田別命(ほんだわけのみこと、応神天皇)をお祭りします。
温暖化の影響で、今年の御神渡りは、5年ぶりでした。
結氷した湖面に氷の筋がうねるように走ります。
-10℃の気温が数日続くと、御神渡り現象が生じる自然条件が整ってくるそうです。
昼夜の寒暖差によって、氷が膨張と収縮を繰り返してできる自然現象とのことです。
日本画家の川崎日香浬先生は
「1月に入ってから、毎日諏訪地方の気温を見ているんです!」
と、新年早々から、御神渡りの拝観の準備に余念がなかったのです(拍手)
「宮坂宮司は、毎日毎日、湖面を観察してらっしゃいます。」
とのことでした。
……新宿からあずさ号に乗れば、真っ直ぐに諏訪湖へ行けるのですが……、すみません。
いま一つ、気力を出せずに、家にこもってしまいました(大汗)
それで諏訪湖や八剣神社のフォトは、別の季節にものになってしまっています。ご容赦下さい。
八剣神社
その宮坂宮司が取り仕切る、八剣神社の大神事です。
諏訪市小和田地区の古役・総代・区長によっておごそかに行われて、上社に報告されます。
正式には「諏訪湖御神渡(おみわたり)拝観報告」です。
周囲16キロの諏訪湖は通常、全面氷結します。
氷の厚さが10センチほどになった日の明け方に、突然に大音響とともに、湖面の南北(年により違いあり)に亀裂が入り、裂け目が盛り上がって氷脈となります。
氷の高さは50センチから1メートルにおよび、湖岸の数キロに渡って、蛇のようにうねって氷の道が現れます。
この現象は、人々に「諏訪の神さまの神威」と受け取られてきました。
上社の建御名方神(たけみなかたのかみ)が、下社の八坂刀売命(やさかとめのみこと)のもとへ通われた道筋である
と語られてきたのでした。
御神渡り現象の氷脈の方向などによって、世相の吉凶、作物の豊凶などの占いをします。
応永4年(1397)、足利幕府に報告した記録が残っています。
神事のあと、テレビのインタビューにこたえて、宮坂宮司は
「目に見えないものの力、
そういう意味で、神威を感じました」
と、心深い面持ちで語られました。
そのお姿に、
諏訪湖を臨む足長(あしなが)神社・手長(てなが)神社
3年前の日香浬先生の『御柱曳航絵図』の御作品の諏訪大社上社奉納記念会で、初めて八剣神社の宮坂宮司とお話しさせていただきました。
八剣神社は、日本武尊ゆかりの神社です。
また諏訪大社の建御名方神(たけみなかたのかみ)の母神として、
それで『先代旧事本紀現代語訳』『景行天皇と日本武尊』
このような由緒のある神職の方にお目を通していただけて、
宮坂宮司に、お茶をたてていただき、感動しました。笛の御演奏も見事です。
諏訪湖を見下ろす山中にある「足長神社・手長神社」の神職を兼ねていらっしゃいまして、そちらへ伺いました。
出雲の素戔嗚尊(すさのおのみこと)の妃は、奇稲田姫(くしなだひめ)です。
その父母の、手摩乳神(てなづちのかみ)、足摩乳神(あしなづちのかみ)をお祭りする、地元の産土神(うぶすなかみ)です。
諏訪地方は、本当に出雲系の神さまの崇敬が、厚く深いところだと実感しました。
……ですがそれだけでは説明しきれないのが、足長の神・手長の神のようです。
諏訪大社神紋の「梶の葉」についてなど、宮坂宮司は古代史の見識が広く、深いご教示をいただきました。
守矢史料館の奥に祭壇があって、栗、一位(いちい)、梶の木の神籬(ひもろぎ)があります。
その梶の木が原種だそうです。
守矢史料館の梶の木の原木
「この神社の周辺の土の中には、旧石器時代の遺跡がゴロゴロしているようです。」
と、笑っておしゃっていました。
「諏訪がわかれば……」まで申し上げると、「日本の歴史がわかる」と、唱和してくださいました。
本当に、諏訪はどこまでも古くロマンをかきたてます!