こんにちは!yurinです。
日本シリーズでサヨナラの日本一、福岡では熱狂の数日間であったと思います!
今日は、福岡県の山の王者、英彦山(ひこさん)についてです。
目次
1.筑紫の主峰の神域の英彦山(ひこさん)神宮
いにしえの筑紫の国(福岡県)は、玄界灘に注ぐ遠賀川・那珂川、有明海に注ぐ筑後川の3つの河川を中心にして成り立っています。
・遠賀川→玄界灘に注ぐ
・那珂川→玄界灘に注ぐ
・筑後川→有明海に注ぐ
その遠賀川・筑後川の源流の英彦山(ひこさん)(1199m)は、筑紫を代表する山です。
そこに英彦山(ひこさん)神宮(福岡県田川郡添田町)があります。
「神宮」の名称は、正式には格別な由緒がある神社です。
北岳にお祭りする、天照大神の第一子、天忍穂耳命(あまのおしほみみのみこと)が主祭神。
天照大神の御子(みこ)、すなわち日の神の御子であることから「日子山(ひこさん)」です。
天孫降臨した瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の方が有名で、その父君の天忍穂耳命(あまのおしほみみのみこと)は地味な?神さまですね(汗)
英彦山にお祭りされているということで、どんな神さまかしらと、一気にテンションがあがりました!
千葉県生まれの私は、高い山々に憧れます(千葉県の最高峰の愛宕山は408m)。
北部九州の地図を眺めて、一番に訪れたかったのが、この英彦山でした!
北岳・中岳・南岳の三峰からなり、南岳に伊奘諾尊(いざなきのみこと)、中岳に伊奘冉尊(いざなきのみこと)を祭ります。
中岳の山頂から山腹にかけて上宮・中宮・下宮、その山上を遥拝する奉幣殿があります。
その他、英彦山全域に摂社末社があり、中世には西国の修験道の一大拠点となっていったのは、紀伊半島の熊野三山と同じ様相です。
2.天照大神の愛を一身に受ける御子~『古語拾遺』~
『古語拾遺』(807年)は上代古典の中でも、平安時代の初めに、上代古典の中でも最後の『先代旧事本紀』の少し前に編纂されました。
神代(かみよ)の時代から中臣氏とともに神道祭祀を司ってきた氏族の、斎部広成(いむべのひろなり)による書物です。
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すでに『古事記』『日本書紀』は編纂されて、律令制度も定まっている世の中です。
朝廷に創作や虚偽の記述を提出するなど、不可能だったと思われます。
その『古語拾遺』の中で、
素戔嗚神(すさのおのかみ)、日の神〔天照大神〕にもの申さんとして天に昇ります時に、櫛明玉命(くしあかるたまのみこと)迎え奉りて、瑞八坂瓊曲玉(みずやさかにのまがたま)をもって献上(たてまつ)る。
ともに誓約(うけい)て、すなわちその玉に感ぜしめて、天祖(あめみおや)吾勝尊(あかつのみこと)生まれる。
天照大神、吾勝尊(あかつのみこと)を育(やしな)いたまいて、特(おぎろ)にはなはだ鐘愛(めぐしとおぼ)したまう。
常に腋(わき)の下に懐(いだ)いたまう。
名づけて腋子(わくご=稚子)ともうす。
とあります。
『古事記』『日本書紀』と微妙に名称が違っていたり、天照大神の描写が生々しかったりするところに、真実味があります。
素戔嗚神(すさのおのかみ)から、最高のヒスイの勾玉をプレゼントしてもらい、感激した!天照大神が、結婚を承諾したのですね!
この上ない結納品だったのでしょうか(微笑)
そしてついに、お世継ぎの男子を授かると「私は勝った!」と叫んだようです。
そして愛しい我が子に、そのまま名前につけるほどでした!
可愛くて可愛くて、片時も手放さずに抱いていたようです。
それが『古事記』『日本書紀』に伝わる正式名称の
「正哉吾勝勝速日天忍耳尊(まさかつあかつかちはやひあまのおしほみみのみこと)」
でした!
英彦山の周辺には赤村という地名もあるのですが、「アカ」は「アカツ」の名残と言われます。
3.長年の憧れの英彦山(ひこさん)を参拝
ついに3年前、念願の英彦山神宮を参拝することができました(拍手)!
晩秋の青空に映える赤や黄色の紅葉と常緑の巨杉の光景が、心に刻まれています。
「一人で行ってきたの?」と、福岡市内の方に驚かれましたが、そうなのでしょうか(汗)
これほど有名な山と神社ですが、確かに平日は人影がまばらでした。
ローカル線と路線バスで英彦山の麓まで。
こういうのんびり旅、好きなんです。
英彦山のスロープカーで、麓の幸(さち)駅から、花駅~参道駅~神(かみ)駅と、一気に標高が上がります。
(スロープカーから見える柿が見事でした!)
秋晴れの青空で、眼下に筑紫の山々と平野を見下ろす光景が、まさに筑紫の王者のそのもの。
南九州に降臨した瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)、畿内へ降臨した饒速日命(にぎはやひのみこと)の父親としての威厳を備え、堂々とした風格を感じさせる山です。
奉幣殿のある神駅につくと、絶え間ない水音がします。
奉幣殿
古い由緒ある神社を訪れると、高らかな水音とともに流れ落ちる清流を必ず目にします。
巌(いわお)を巡り落ちる滝を、「天の水分(みくまり)の神」としてお祭りしていました。
英彦山は筑紫と豊の国境に鎮座します。
「分水嶺(ぶんすいれい)」をなす地域の主峰です。
聖水が流れ落ちる神域を祭る古代人の自然崇拝に、現代人もおのずと引き込まれていきます。
筑紫の神社にしては珍しい、天空に真っ直ぐにそびえ立つ巨杉が、威厳をかもしています。
想像した通りの神域で、東路(あづまじ)の果てからはるばると参拝できた感動に浸りました……
つづく